クリスマスはメランコリー
「…一緒に食事するとか、もう無理言わないので…歩きながら少しだけでも話を聞いて貰えませんか?」


頬を赤く染めながらも真剣な眼差しで訴えられたから…私はコクリと頷いた。


とりあえず、帰り道の駅前に二人で肩を並べて歩いて行く。


「俺、ナナさんの事をずっと見てました。

お店に来るたびに、とても美味しそうに食べる人だなって…」


「あれ?名前どうして知っているんですか?」


私は周りの人から、『本当に美味しそうに食べるから作りがいがあるよ』とよく言われるけれど…

それはともかくとして、名前を知っているのが不思議だった。


よくよく考えたら、常連の割にはこの店員さんは顔見知りじゃない。


それにこの人、ミーちゃんにメアド渡した人だよね?


やっぱり、やっぱり、やっぱり!!


「それはね、実は…」

「わ、私の中で疑いが晴れません!!」


店員さんの言葉を遮るように、少し大きな声で言った。


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