クリスマスはメランコリー
「あっ…」


“グゥ~ぎゅるるるっ”


「店員さん…いやユウヤさん、お腹空いてますよね?」

「…はい。でも大丈夫です」


私のドキドキを吹き飛ばすかのような、お腹が空いた音。


正直、あの後、どうしたら良いのか分からなかったから都合よく鳴ってくれたお腹に感謝。


ユウヤさんは恥ずかしいのか、そっぽ向いている。


何だか可愛らしい人。


「ユウヤさん、お酒飲めますか?」

「任せて下さいっ」

「じゃあ、クリスマスだし、お酒飲みに行きませんか?」

「はい、喜んで」


疑うとキスされちゃう(らしい)ので、気になるけれどミーちゃんの件は封印したかった。


すれ違う人々のほとんどがカップルで物悲しい気もしたせいか、

ユウヤさんが気になり始めているのか、

ユウヤさんがお腹が空いていて申し訳ないのか、

もしくはその全部か分からないけれども、私は私の意思でユウヤさんとクリスマスイブを過ごす事にした。


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