ド天然!?魔女っ子の秘密
バタっと数名の女子が倒れた。

どうやら相当ショックだったらしい。

まぁ翔太はかなりモテるからね…


それよりも、クラスの皆の視線があたし達に突き刺さるのを感じる。

特に女子の方々からの視線が怖いっ

男子だってなぜか呆然とあたし達を見ている。

もう涙は枯れた。

それどころじゃないよ、今のこの状況は…

視線が…視線が…!


「翔太、ちょ、離し…」

「……悪かったな」


あたしにしか聞こえないような、かすれた小さな声で囁いた。

「え…?」

「…かなり心配かけたんだな…」

好きな人にそんなこと言われたら、誰だって泣いちゃうって…


ぽた。

また溢れた涙が、翔太の制服に水玉を作る。


「…バカ翔太。心配、するに決まってるでしょ…?」


翔太のことが好きだから。

なんてそんなこと、絶対に言わないけど。


「…やっぱ優しいな…」

翔太はあたしを抱きしめる腕に力を入れた。

でも痛くはない。

優しく包まれるような感覚。


このバカ王子さまが。


ずるいよ…

もっと好きになっちゃうじゃん…
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