ド天然!?魔女っ子の秘密
「貴方には負けませんわ!」


悪いけど、それは無理だね。

水谷さんに負けるようでは、あたしはもうとっくの昔にあの世に逝ってるよ。



「では、始め」


いよいよ、始まった。


さて、どう試合しようかな?


貴族や庶民で差別している人間とはいえ、水谷さんは女の子。

女の子の顔には傷を付けたくないな。



とりあえず、相手の出方を見ますか。




「どうして何もしてこないのよ!?」

何もして来ないあたしに苛立っている様子。

あーぁ、女の子は誰だって怒らない方が可愛いのに…

あたしみたいな可愛くない人の分まで可愛くなって欲しいよね。


「まぁ、私に恐れ抱いているのですね。ではこちらから参りますわ!」


えーっと、どうやら、あたしが何もせず突っ立っているのは自分に対して恐れているのだと勘違いしたらしい。

完全優位に立ったと思っている水谷さんは戦闘態勢に入った。


誤解を解くのも面倒臭いので、諦めることにする。


まぁそれは置いておいて。


一体何が来るのかな?


あたしが微かに口角を上げたことは誰も知らない。
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