ド天然!?魔女っ子の秘密
「ん?由良何か言った?…って…」

前にいた美玲が振り向き、あたしを見て目を丸くした。

「あはは…分かった?」

「そりゃ分かるわよ…」

「変…?」

不安になって聞いてみた。

「ううん、紅も素敵だけど琥珀色の瞳も綺麗で似合ってるよ」

美玲は微笑んでくれた。


何色でもいいから紅ではない色に変わってと思って魔法を使った。

だから自分でも瞳の色がどうなったのか分からないけど、どうやら琥珀色になったらしい。

これなら、あたしが"ガーネット"だとバレないだろう。


あたしはちょっと安心して胸を撫で下ろした。


「じゃあ私はこの辺で…」

「え!?」

楓花さんどこに行くの!?

「楽しんでくださいね」

ニコッと微笑むと人混みに姿を消した。

周りにいた数名の男性が鼻血を出して倒れた。

楓花さんが微笑んだだけで倒れるなんて…

楓花さん…恐ろしや…


「由良ー?どうかした?」

「あ、ううん。何でもないよ。あ、そうだ。楓花さんはどこに行かれたの?」

「そうね…きっとお客さん達に挨拶をしに行ったんだと思う」

「お客さん…?このパーティーは楓花さんが主役なの?」

「違うわよ」

「え?じゃあどうして…」


あたしが首を傾げていると


「来てくれたんだ」


あたしのよく知る声が耳に届く。

後ろを振り向けば


「翔太…」


大好きな人が立っていた。
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