ド天然!?魔女っ子の秘密
「聞こえなかったのか?お前が仕切れと言ったのだ」


…聞き間違えじゃなかったんですか!?


「えっえぇ!?あ、あたし!?ですか!?」

これは、あれだ、天地がひっくり返ることの前触れ。異常気象でも起こるのだろうか。食糧を確保しておかなければ。

「天地はひっくり返らない。異常気象も起こらないだろう。食糧も今確保する必要はない。

お前が適任だろう」


さも当然とでも言うようだ。

おまけに言うならば、さらっと心が読まれていた。的確に突っ込まれた。流石は我が父。


「で、でも!」


一応大学は卒業してしまったけれど、16歳の女子高生だ。ただのガキンチョだもん。

そんなまだまだガキで未熟者であるあたしが、"ガーネット"のみんなを引き連れて戦うなんて…できるはずない。

あたしは"ガーネット"で、最年少の魔法使い。そんなあたしに皆がついてきてくれるとは限らない。

もしあたしの指示で皆が混乱してしまったら、どうする?

その指示で怪我をさせてしまったらどうする?


不安が胸に積もる。


勿論皆のことは信用しているよ?だって大好きな家族のような存在だもん。

きっと皆もあたしのことを好いていてくれているのは、何となく感じるよ。

でも、皆が従ってくれるというのは絶対ではない。


きっとみんなのことだから、あたしに従ってくれるのかもしれない。

でも、実際は分からない。


それに、もし…もし、隊員たちに怪我させてしまったら、死なせてしまったらと思うと、


怖い。


怖い。


もう不安しかない。


もし、誰か一人でも死んでしまったら…多分、というか確実に、あたしはもう二度と立ち直れないと思う。

翔太がまた光を与えようとしてくれたとしても、多分無理。絶対無理。


あたし…大丈夫かな…?
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