ド天然!?魔女っ子の秘密
*第10章*

王子様の優しさ

「…っハァ…ハァ…」


只今、学園の競技場にてある技の練習中です。

普段は行事や授業でもないのにも関わらずここを使うことは禁止されているんだけど、SC4の特権とやらで使ってます。

それに、理由を言えば学園長も許してくれるだろう。


今は授業中なんですが…サボっちゃいました♪


前に翔太が授業をさぼった時に、何サボってんの、って言ったら

『あ?別にいいだろ』

ってあくびをしながら言われたんだよね。

『あんた何言ってんの!授業サボっていいわけないでしょ?この不良!』

あたしが罵ると、翔太は仏頂面の眉間にしわを寄せた。

『あ?お前知らねぇの?』

『何を?』

『授業をさぼっていいのはSC4の特権だ』


授業サボってもいいだなんて…そんなことが許されていいの!?

『あたし絶対にサボらないもん!』って翔太に宣言したんだけど、その決意は崩れてしまった。


そうしてでも、あたしは強くならなくてはいけない。

サファイアや…他の魔物退治屋と戦う日が、確実に近づいていると思うの。


サファイアは世界第2位の魔物退治屋を立ち上げたこともあって、かなり強い。

ちゃんと鍛えておかないと、こちらが倒されてしまう可能性もある。


鍛えるのなら"ガーネット"の修業場ですれば、って思うよね。


でも、あたしは使えないの。

修行場は普段、隊員たちが鍛えるために使ってるんだよね。きっと今この時間も。

それに、昔一緒に修業したこともあったんだけど、あたしの魔力で倒れちゃう人が大勢いた。

だから、皆はあたしと一緒に修行しないことにしているの。
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