ド天然!?魔女っ子の秘密
チラっと千沙さんの方を見ると、千沙さんは瞳を閉じて集中していた。

「"プロテクト"!」

千沙さんは床や壁、天井に、魔法をかけた。それも、かなり精度の高い魔法だ。これで、例えどんなことがあろうとも崩れたり腐ったりすることはないだろう。

ようやく一安心だ、

とまでは言えなかった。


楓花さんがまた何か魔法をかけるような行動をとるのが視界に映った。

あたしは集中を切らさないよう、一層集中した。


「"ポイズ…」

「"デリート"!」

更に千沙さんは除去魔法をかけた。楓花さんがさらなる魔法をかけるその前に、速く、鋭く、強く。

千沙さんのおかげで雨雲はなくなり、降っている雨粒も綺麗になくなった。


もう、本当に大丈夫だね…


「"解除"」

あたしはシールドを解除した。

同時に美玲たちも張っていたシールドも解除したようだ。

楓花さんはというと、何だか苛立っているようだった。殺気立っている。それと同時にかなり焦っているのが見て取れた。


「ぽ…"ポイズン・アロー"!」


毒の矢は一直線にあたしめがけて降ってくる。

やはり、あたしを倒すことが目的か…

まぁ、サファイアに操られているのなら、当然のこととも言えるけれど…

心から負けたくない、と思ってしまった。翔太の彼女だからなのかもしれない。

あたしはどんどん醜い人間になっている。こんな時にまで恋愛のことを考えるなんて。最低人間だ。


だけど、それでも

「由良さん!」
「「由良!」」


負けたく、ないの。どうしても。


瞳を閉じ、あたしはゆっくりと杖を構えた。


あたしの想いは翔太に届かないけれど、せめて楓花さんには負けたくない。

他の人にどう思われたって構わない。最低ならそう罵ればいい。性格悪いならそう罵ればいい。それで構わない。

他の人がどれだけ言おうと、それでもあたしのこの気持ちは変えられない。変わらない。

それだけ…翔太が好きだから。


あたしは次の瞬間、カッと目を見開き素早く鋭く杖を振り下ろす。


「"ホーリー・ライト"!」


辺り一面、あたしの創り出した強烈な光で包まれた。
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