ド天然!?魔女っ子の秘密
よーし、パワーも充電できたことだし、まだまだ頑張るよー!

お母様から課せられた目標売上まであと少しだもんね!


一人拳を天に突き上げていると

「由良ちゃん」

あたしの名前を呼ぶ声がした。


「はーい、あっ」

振り返るとそこには6歳になると言っていた女の子がいた。


「小麦ちゃん、いらっしゃい」

あたしは微笑みかけた。

小麦ちゃんは、いつもこの店に来てくれる大事なお客様の一人。

いつも、難病で伏せっているお祖母ちゃんの薬を買いに来てくれているんです。

そう教えてくれたとき、あたしは不覚にも涙が出そうになった。

だって、難病で苦しむお祖母さんのために、わざわざ魔法屋に薬を買いにくる、だなんて…

なんと健気な女の子なんでしょう…!


天使です。この子天使なんです!


そんな天使な小麦ちゃんは、ランドセル背負って学校に通う元気な小学校一年生。

ここに来てくれる度に学校で起こった出来事を一生懸命教えてくれます。


そして彼女は超がつくほどの美少女なのです。それもまるでお人形さんみたいに。

もうね、子供モデルとかやってます、なんて言われても素直に納得できる。

この子が高校生になったら、どんなに麗しく可憐な女の子になっているだろうか。

セーラー服姿なんて…鼻血モンだろうな。

小麦ちゃんがそんな歳になっても、ここに来てくれたらいいけどね。


「今日もお祖母ちゃんのお薬かな?」

しゃがんで小麦ちゃんと視線を合わせる。

フルフルと首を横に降るその姿さえも可愛い。
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