クリスマスケーキ
「遠距離恋愛じゃあ…ダメなの?湊」
「それが…お前の返事?」
湊の甘いテノールが寂しげに私の鼓膜の奥に届き、心を揺らめかせる。
白石湊(シライシミナト)
私たちは大手広告代理店『順天堂』プランニング部勤務で同期。
彼は社長の従兄弟で将来…出世を約束された人間。
私も彼も同じプランナー。
でも、彼は部のサブとして私たちをまとめる役目を担っていた。
社長の従兄弟はやはり…出世のスピードが違う。
同期達(私も含めて)はまだまだ…ぺーぺーなのに…
湊だけは肩書がついていた。
決して…湊を悪く言う人間はいなかった。
社長の従兄弟だからとかじゃなく…彼には周囲を認めさせる有能な力があったから。
「それが…お前の返事?」
湊の甘いテノールが寂しげに私の鼓膜の奥に届き、心を揺らめかせる。
白石湊(シライシミナト)
私たちは大手広告代理店『順天堂』プランニング部勤務で同期。
彼は社長の従兄弟で将来…出世を約束された人間。
私も彼も同じプランナー。
でも、彼は部のサブとして私たちをまとめる役目を担っていた。
社長の従兄弟はやはり…出世のスピードが違う。
同期達(私も含めて)はまだまだ…ぺーぺーなのに…
湊だけは肩書がついていた。
決して…湊を悪く言う人間はいなかった。
社長の従兄弟だからとかじゃなく…彼には周囲を認めさせる有能な力があったから。