クリスマスケーキ
「度胸のある女だ…まぁ、自分の考えをしっかり持った女だから…お前を選んだけど、な…」



「…湊」



湊は小箱を開けないままスーッと上着のポケットに仕舞い込んだ。



「…仕事が面白いのは判るけど…判っていても…俺はお前に仕事ではなく俺を選んで欲しかった」



「・・・」


私は決して自分の信念や意見を曲げない女。

度々…仕事の上で湊と衝突を繰り返した。



『喧嘩するほど仲がいい』



周囲はそんな風に私たちを解釈する。


私たちは互いに好意を持っていたワケじゃない。なのに…周囲は私たちを強引にくっつけようと影で策を練って…その策にハマってしまった。



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