クリスマスケーキ
あれは…2年前ーーー・・・


入社2年目。
少しずつだけど部の即戦力として認められつつあった。


私たちは大手レジャー施設会社の広告の立案と企画を任された。



「これは・・・」


とある休日。

クライアントの手掛ける遊園地に二人で足を運んだ。


遊園地と言っても絶叫マシンをメインとする施設。


高所恐怖症の私にはどれもこれも乗れない代物ばかりで…顔から血の気が引いていた。



「あれが最新のジェットコースター『ビックファルコン』だ」



湊は私の蒼白した表情に全く気付いていない。

『ビックファルコン』とやらに興奮していた。



「白石君は絶叫マシン…乗れるの?」



「…あぁ…さぁ~並ぶぞ」



「ち、ちょっと…待って…」



「…CM作るにしても…クライアント知らなきゃ…企画出来ないだろ?」


「それは判ってるけど」






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