クリスマスケーキ
「怯えてる…お前って可愛いなぁ~」



「からかわないで…」



「…」


湊の顔が真剣味を帯びていく。



「…俺…生意気な女は嫌いじゃない…」



湊の指先が私の頬を撫でる。

ゾクリと栗立つ全身。

恐怖とかじゃなく身体の奥を疼かせる別の感覚が湧き立っていく。


「俺に歯向かう女の方が…躾がいあるし」


「あ、…あのねぇ…」




塞がれた唇。




狭苦しいゴンドラ内に逃げ場もなかった。
湊のキスは最初から濃厚で私の全身の力を奪い去った。



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