クリスマスケーキ
「…やっぱり乗るの?」


「約束だろ?お前のおかげで…俺…気分悪いんだけど…」



湊は強引に私の左手を掴んだ。


そしてゴンドラの中に乗り込む。



太陽は西の地平に傾いて宵闇がたなびいていた。



私が夕陽に目を奪われるのは束の間。


ゴンドラが上がっていくのに従い…足許から言えしれない恐怖が迫り上がった。



膝上に置いた両手をギュッと握り込ませて恐怖に耐える。



「!!?」



湊が急に立ち上がって私の座っている場所に強引に座り込んで来た。


湊のせいでゴンドラの重心が狂いグラリと揺れる。




私を恐怖は極限に達した。



「なんてコトすんのよ!?」

私は湊を睨み据える。



< 7 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop