Treasure~もう一度、恋~
いつからか俺は、彼女に会いに喫茶店へと足を運んでいた。

今日は、こっちを向いてくれるかな

淡い、期待を抱いて





今日も、アイツは視線を落としてなにかを書いていた。

まっすぐなまなざし

邪念とか、なにも無いだろうその表情に

俺は、どうしようもなく惹かれていた





マスターが、彼女のコーヒーを足しに来る。

彼女は顔を上げると、マスターと二言、三言言葉を交わし、そして




笑った。




その笑顔を見て

俺の心臓は、わしづかみにされたような

打ち抜かれたような、衝撃を受けた。






…か

…か、

可愛い…!




いつも、真面目な顔でなにかを書いているところしか見たことがなかった。

初めて見る、その笑顔は

俺を、恋に落とすのに十分だった。




いや

もう、落ちていたんだろう

とっくに





きっと、出逢った瞬間から




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