Treasure~もう一度、恋~
俺は、マスターに彼女のことを聞いた。

なんでもいい

情報が欲しかった。




マスターは、彼女を“ゆきちゃん”と呼んでいた。

すぐ近くの工業大学の2年生で、建築学科らしい。

暇さえあれば、ここに来て図面やらなにやら書いているそうだ。






「瞬ってばー、今日これからカラオケ行かない?」

「わりい。また今度」

「最近付き合い超悪くない?なんの用事なのー?」

「…なんでお前に言わなきゃなんねぇの」

「ちょ!ひどくなーい?」











あれから、1ヶ月

俺は、まだ話しかけることすら出来ずにいた。

今日こそは

今日こそは、絶対話しかける!




そんな決意を胸に、喫茶店へと急ぐ。





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