ゆびきり
「はい!?暮らすって…ここ私の家だよ?わかってんの?勝手に決めてるけど」


また鼓動が速くなって、顔が赤くなっていくのがわかった。


「いいじゃん。彼氏いないんだし、別になにもしねぇよ。日和にはね」



日和にはって、私は特別ってこと?



私のこと好きになってくれてきてるのかなぁ?



「しょうがないなぁ〜」


ぎこちなくスペアキーがはいっている引き出しを開き、カギをだした。



私はスペアキーを緊張で小刻みに震えながら詠士に渡した。


これって、同棲するってこと?



「サンキュー、じゃあ、俺寝るから布団頂戴よ」



詠士は自分勝手なことばかり言う。



でも、それを許してしまう私って、そうとう詠士に盲目なのだと実感する。


私は詠士の特別だって、勘違いでもいい。


そう思ってていいよね?


私といろいろな気持ちを知ってほしい。


そして、もっとあなたを知りたいんだ。

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