あたしはウサギ。~飼い主は悪魔さん~
「さっき、一緒に帰ろうとしてた…」
「そうそう。あれでも一応彼女なワケで。特別可愛くもないし、どこが好きとか無いんだけど…」
呆れたような、ため息。
「でも、愛してるって心から言えるんだよね。だから君の気持ちには答えられない。ごめんね?」
「いえ。橘先輩を好きになって良かったです。大切にしてあげてください。」
うっすらと目に涙を浮かべながら、笑って帰っていく。
もう姿が見えなくなった頃、隼斗くんが手招きしてあたしを呼んだ。
「隼斗くん…」
「あーあ泣かせちゃった。女の子泣かせるのって、自分のポリシーに違反するんだよね。」
「…?」