濃いラブコメ
五分後、金屋君が教室に入ってきた。
ギリギリで制服を身につけたぼくは、メガネをふいて気を落ち着かせていた。まだ心臓の鼓動は速い。
間に合った。
どうにか間に合った。
「風宮、めずらしいな。こんな早くに」
そう言って、金屋君は自分の席についた。
「あ、金屋君。おはよう」
ぼくはメガネをかけ、声が震えるのをこらえながら、挨拶をした。
・・・・・・そして、今にいたるというわけだ。
どうやら、朝ぶつかったのが、ぼくだということは、ばれていないらしい。金屋君の様子はいつも通りだ。よかった。本当によかった。
ぼくは、大きくため息をついて、下を向いた。
そして、また凍りついた。
両足に、ハイヒールを履いたままだったのだ。