濃いラブコメ



・・・・・・金屋武。



あの武骨な角刈りマッチョは、わたしのハイレベルな誘惑をことごとく無視してきました。


むかつきました。


許せませんでした。


総理大臣を奴隷にする夢を持つ、優秀な痴女であるこのわたしが、たかが同い年の高校生のガキひとりを虜にできないなんて、認めたくありませんでした。


わたしは何度も金屋武につきまといました。もう無理やりやってしまおうと思って、一度公園で襲ったのですが、残念ながら逃げられてしまいました。


金屋武はギャルゲー病という奇病を患っていて、他の女子にも言い寄られていました。しかし、彼はどの娘にも手を出しませんでした。


・・・・・・こいつ、おかしいんじゃないかと思いました。


健全な男子高校生が、こんなにも女の子にモテモテになって、冷静でいられるわけがありません。そんなのは異常です。


ひょっとして、ゲイなんじゃないかしら?


わたしは疑いました。




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