運命は始まったばかり
「クリスマスなのに
バイトしてたら
彼氏も怒ってんじゃない?」


何、この変な近況探り・・・


「ううん、大丈夫」


「そっか・・・
俺なんて、
加奈と別れてから
全然続かなくてさ・・・」



そりゃ、そう簡単に
結婚に相応しい女なんて
見つからないだろうよ・・・


「いい人、見つかるといいね」


「あー・・・うん・・・」


何だ、この男。

さっさと立ち去ってくれたらいいのに。




「お姉さん、その
小さいの1つちょうだい?」


マサトの背後からの声に


「あ、はい。ありがとうございます」


と、ケーキを手渡そうと
顔を見上げると、


「あ・・・・・・」


「今夜も一緒にケーキ食べるでしょ?」


そう微笑む、イヴに一夜を過ごした男。


スーツ姿とは一変して

ニット帽を被り、ラフな服装に

思わず、ドキドキしてしまい


「う、うん?」


自分が、どんな顔をしてるのか分からなくなってしまった。




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