Witch and Vampire ―恋物語―
俺がもう一度目が覚めた時、周りには誰もいなかった。
首を触ってみたが、引っ掻き傷があるだけで、痛みも何も感じなかった。
心臓もなんともない。
ただ、体に不調があるとすれば、とてもだるいということだ。
体が重くて起き上がることができない。
「はぁ。」
どのくらい時間が経ったのだろうか。
鳥のチュンチュンという鳴き声が聞こえること、東側のカーテンから陽が入っていることから、朝だと推測できる。
「一日か。」
俺は重い頭を持ち上げ、腕でベッドを押して体を起き上がらせようとするが、腕に力が入らない。
ずるっと滑って顔が枕へ突っ込んだ。
ぼふっ
「・・・くそ。」
俺は体を仰向けに戻すと、人が来るまで状況を整理することにした。
仮に襲撃を受けたのを昨日としよう。
まず、突然の爆撃。
部下が一瞬にして倒される。
俺が応戦。
が、一歩届かず。
ソラが魔法をかける。
カーディンがソラへ攻撃をしようとする。
助けに行こうとするものの、カーディンの攻撃により負傷。
後ろからの攻撃。
ソラが負傷。
カーディンは死亡。
クラと思われる人物が立ち去る。
その後の記憶なし。