甘い恋の始め方
「お前さ、浩太が好きなのか?」

「翔には関係ないでしょ?」

「俺、わざわざ忠告に来てやってんだぞ?」

「えっ?」

「あいつ、美人の彼女がいるから。お前はいいように遊ばれてるんだよ」

(浩太君に美人の彼女がいる?)

「お前ってさ、男運ないな。もうすぐ三十路女に若い男が好きになるわけないだろ」

ちょっとバカにした言い方に理子は腹をたてる。

浩太に彼女がいることではなくて、翔の言い方に。

「そうよね! 私は男運のない女よ! わかったからもう帰って!」

これ以上ここで話をしていたら、両隣の住人が何事かと顔を出しそうだ。

「男に飢えてるんならさ、俺がセフレになってやってもいいんだけど?」

「はあ? なに言ってるの!?」

突拍子のない翔の言葉に理子は呆気にとられる。

「女って男に抱かれて潤っていくって言うだろ? このままだとお前、カサカサの三十路女になっちまうぞ?」

「あんたと寝なくても間に合ってるわよ! 早く帰ってよ!」

理子は翔の背後に回り背を押す。


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