恋踏みラビリンス―シンデレラシンドローム―
「派遣とか言ってたよな。派遣期間が終了したって事?」
「ううん。期間はまだ残ってたんだけど……会社側から今月の初めに急に言われて」
「理由は?」
「他の派遣社員とうまくいってないみたいだからって。
私がいると女子社員がぴりぴりして社内の雰囲気を悪くするから、自分から辞めるって事を派遣会社に言って欲しいって言われて……」
「それは事実?」
和泉くんはまるで事情聴取でもするみたいにどんどん聞いてくるから、私が本当に悪い事をしたみたいに思えてきてしまう。
そんな事なんてしていないのに。……と思うのに。
「事実、なのかな。
彼氏がね、派遣先の会社の正社員だったんだけど、浮気相手も社内の人でね。
それが原因で私たちが別れたって知った他の子が、仕返しした方がいいって言い出して……。
それを断ったらいい子ぶってるって言われて、無視されるようになったから」
彼の浮気が発覚したのが二ヶ月前。
どうやら彼は同棲している部屋に浮気相手を連れ込んだりしてたみたいで、私のではない女物のピアスだとかが毎週のように落ちていて、そこから発覚した。
それでも許してやり直そうと気持ちを切り替えた頃、彼が浮気相手と正式に付き合いたいと言い出して。
どこから漏れたんだかは分からないけれど、それは狭い社内にあっという間に広がってしまった。