恋踏みラビリンス―シンデレラシンドローム―


「オッケー。コンクリートにドリルで穴開けるみたいなイメージね」

ちょっとそこの醤油とってってお願いに答えるテンションとトーンでオッケーなんて言われて、少し戸惑う。

「ちょっと待って。なんか怖いそれ」
「アレでしょ、ガラス瓶を思いきり地面に叩きつけて割るとかそういうイメージでしょ。
オッケー」
「……なんで佐和ちゃんの例えはみんな怖いの? コンクリートもガラス瓶もこれ以上ないくらい粉々に粉砕されてるじゃない。
痛そう」
「風船でもコンクリートでもガラス瓶でも、どれでも結局は同じくらい痛いでしょ。
好きって気持ち叩き割られたら」

さっきまでの軽いトーンじゃなく、ため息をつきながら言われた真面目な言葉に返す言葉がなくなる。
それは、本当にそうだから。

誰かを好きだっていう気持ちを割られるなんて、痛さが伴うにきまってるのは、今までの経験上よく分かっていた。

「それに、今までも莉子の十個くらいの風船を割ってきたけど、今回は違うじゃん。
私が割ったところで、再生しちゃうと思うけど」

どういう意味、と聞き返すと、佐和ちゃんが、いい?と私を話に集中させたあと説明し始める。





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