恋踏みラビリンス―シンデレラシンドローム―


「今までの風船は、莉子のダメな期待がつまった風船だったでしょ。
莉子、ひどい男とばっかり付き合って何度も裏切られて、絶対的にひどいのは男の方だし別れた方がいいのに、莉子は男のいいとこを無理やり見つけて、そこに期待して支えにしてたの。
自分が彼氏を好きでいていいんだって理由を無理やり寄せ集めて詰めた風船だったでしょ」

言われてみて、確かにそうだったのかもしれないと思う。

彼氏がダメな男かもしれないっていうのは、私なりになんとなく気づいていた。
だけど、それでも彼氏の中のいい部分だけを見るようにして……付き合っている事を正当化していた。

「莉子の、自分を必要としてくれる男に尽くしちゃう気持ちも分かるけど。
家族の事で色々あったの知ってるし、それが莉子の中でまだ消化できていなくてツラいのも分かるし」

全部が家族のせいなんて事はないけど。
放っておかれる事が多かった私にとっては、彼氏が私を必要としてくれるってだけで嬉しかった。

自分の居場所を見つけたみたいで。

だから、私なんかを必要としてくれるんだからって、彼氏を困らせたりしたくなかったし面倒だとかそういう事を思われたりしたくなくて、必死にいいところを探していた。

一緒にいていい理由を……体裁を取り繕っていたのかもしれない。


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