人知れず、夜泣き。


 晩ゴハンを食べ、食器を洗い終わると、悟の近くに腰を掛ける。

 あの話を、しよう。


 「悟・・・他に好きな人、いるよね??」

 冷静に、冷静に。 

 だって、今のワタシは怒っても悲しんでも涙が出る。

 「は?? 何言ってんの??」

 悟が顔を顰めた。

 ワタシには、驚いていると言うよりは、ただただ面倒臭そうに見える。
 
 だったら、白を切る必要なんてないのに。

 悟の嘘は、無駄でしかない。

 「昨日、悟とカワイイ女のコがデートしてるの・・・見た」

 「人違いじゃね??」

 この話を続けるのがうっとうしいのか、ワタシから責められるのが嫌なのか、悟は認めようとしない。

 「・・・ワタシは、悟と誰かを間違える事なんて・・・ないよ」

 「・・・・・・」

  少しの沈黙の後、『ふぅ』と悟が1つ、溜息を吐いた。 そして、
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