人知れず、夜泣き。



 別れたって往く場所なんかない。

 次の住処が見つかるまでは、このアパートに居なければならない。

 でも、今は一刻も早くここから出たい。

 「・・・コンビニ行って来る」

 財布だけ持って部屋を飛び出した。

 早く1人になりたい。

 1人になって泣きたい。


 ちゃんと終わらせた。

 泣かなかったワタシは、カッコ良かったのだろうか。


 コンビニで強めのお酒を買って、近くの街灯の下で飲む。

 そして、泣いた。
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