『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「なんや、また新しいヤツが来たんかいな」


万里也は不機嫌そうな顔で、クシャクシャのクセが強い銀色の毛をかきあげる。


間近で見ると、目の色が青くて肌も真っ白。


クォーターでも、遺伝が強いタイプだ。


「大沢 志穂と申します、これからお2人を担当させていただく事になりました」
「志穂だか脂肪だか分からんな、その体」


コンプレックスを、一気に突いて来るとは……。


「まあええわ、いつまで持つか試したる」
「よろしくお願いします」


きっと、あたしの顔は引きつっていただろう。


負けるか、こんな17歳の子供に。


「秀一郎、新しいマネージャーやって」
「ん? 」


参考書から上げた顔は、坊ちゃん刈りに鼻筋の通った和風美少年。


着物が似合いそうなタイプ。


お母さんのマチコさんは、京都の芸妓さんの娘だから、その遺伝だろう。


「よろしゅう」


一言です、一言ですよ。


興味無いのね、誰がマネージャーになろうが。


< 16 / 292 >

この作品をシェア

pagetop