『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
本番が始まり、彼らが舞台に出て行くと、他の芸人さん達がザワザワし始める。
「生意気だよなー、あいつらさー」
「せやせや、親がどんだけ偉いんかって」
皆、2人の楽屋での態度を非難していた。
それもそうだろう、数脚しかない椅子は、常に2人が座っており、芸歴が上でも彼らにゆずらなくてはいけない。
着替えの時もそう、更衣室の使用は出番が迫っている芸人が優先なのに、2人がゆっくり着替えるために、今日は女性芸人さんがそのまま舞台に出るハメになった。
「評判悪いんですね、2人は」
「当然、逆らったら大虎師匠とピンヒールを敵に回す事になるから」
「なるほど」
大御所を怒らせると、どんな圧力を掛けられるか分かったものではない。
「特に、万里也君はこれまで飲酒喫煙で事務所から注意されるけど、それでも態度が改まらない」
先輩はおおげさにため息をつくと、あたしにこれからのスケジュールを伝達し、必要な事項の申し送りをする。
「え、呼び出しがあったら即座に対応って」
「学校の送り迎えも仕事、それから、プライベートの移動も」
「そこまで、事務所は何て言ってるんですか? 」
「もちろん、出来るだけ彼らの意思を尊重するようにと」
あのハギモトですら恐れる新人……。
そんなのを任されて、本当に大丈夫なんだろうか、あたしは。
「生意気だよなー、あいつらさー」
「せやせや、親がどんだけ偉いんかって」
皆、2人の楽屋での態度を非難していた。
それもそうだろう、数脚しかない椅子は、常に2人が座っており、芸歴が上でも彼らにゆずらなくてはいけない。
着替えの時もそう、更衣室の使用は出番が迫っている芸人が優先なのに、2人がゆっくり着替えるために、今日は女性芸人さんがそのまま舞台に出るハメになった。
「評判悪いんですね、2人は」
「当然、逆らったら大虎師匠とピンヒールを敵に回す事になるから」
「なるほど」
大御所を怒らせると、どんな圧力を掛けられるか分かったものではない。
「特に、万里也君はこれまで飲酒喫煙で事務所から注意されるけど、それでも態度が改まらない」
先輩はおおげさにため息をつくと、あたしにこれからのスケジュールを伝達し、必要な事項の申し送りをする。
「え、呼び出しがあったら即座に対応って」
「学校の送り迎えも仕事、それから、プライベートの移動も」
「そこまで、事務所は何て言ってるんですか? 」
「もちろん、出来るだけ彼らの意思を尊重するようにと」
あのハギモトですら恐れる新人……。
そんなのを任されて、本当に大丈夫なんだろうか、あたしは。