『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
きっと居辛くなったんだろう、マネージャーがそんな事までして仕事を取っていたとは知らなかったし、自分達がさせているように見られたから。


「申し訳ありません、この収録、Super ㎡抜きでお願い致します」
「えーっ、それじゃ話にならないよ」
「困るんだよねー、急に抜けられたりしちゃ」


スタッフ達の苦情に頭を深く下げてお詫びをし、スタジオを出て2人を探す。


その途中で、敬介と鉢合わせる。


「どうしたの? 血相変えて」
「2人が行方不明で、今、探してるんだけど」
「今、エントランスに行ったのを見たよ、あ、あの装置使ってみたら? 」
「そうだ……」


発信機を携帯の電池ケースの中に仕込んであるのを思い出し、受信機のスィッチを入れてみた。


「点滅してるのが2人、この位置だとそう遠くには行ってないよ」
「ありがとう! 敬介! 」


ドタバタと走り出し、エントランスに向かうと2人はファンに囲まれて身動きが取れなくなっている。


「キャーッ! 万里也ぁー! 」
「秀一郎! 握手してーっ! 」


何とか女の子の群から2人を助け出し、局の中へひきずり戻す。




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