『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「一体何の騒ぎかな? 理由を説明して欲しいんだけど」
「お前が恥さらしなマネしたんやないけ! 誰が体張って仕事取れなんて言うた? 」
「ああ、その事」


全く動揺していない、逆に余裕すら感じられる微笑を浮かべる。


この人、そんな人間だったんだろうか。


あたしの知っている先輩とは、とても思えない。


「いいんじゃないの? 君たちの仕事も増えたし、今や東京進出組でNo,1じゃないか」
「ええ加減にせえよ、何でそないな事したんじゃ! 」
「マネージャーとして君たちを売り出すためさ、礼儀もわきまえず、先輩芸人を怒らせて局にも迷惑を掛けている君たちが、ここまで来られたのは誰のおかげかな? 」


もう止めて、それじゃ認めた事になる。


先輩が体で仕事を取ってたなんて、信じたくもない。


「先輩、もういいです……」
「よおないっ! 名誉に関わる」


万里也は唇をから血が流れていた、きっと悔しくて噛み続けたのだろう。


こんな時、どうすればいいのか答えを出さないまま先輩は姿を消した。




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