『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
2人をそれぞれの豪邸に送り届けた後で、あたしは先輩に誘われて飲み屋に向かう。
「あの、さっきの行動なんですけど」
「いつもの事、ああやって捨てられるのが嬉しくて仕方ないみたい、ファンの子は」
「どういう意味なんですか? 」
「万里也は、ドSキャラが売りなの。だから、ファンサービスなんて一切しないし、むしろ迷惑がるのよ。それが、返って彼女達のハートをくすぐる」
売りだからって、ファンからのプレゼントを捨てるのは許せない。
「止めさせられないんですか? ああいうの」
「ムリ、これまで5人が挑戦したけど皆、白髪が増えたり、胃潰瘍になったり、果ては退社寸前まで行ったわよ」
あ、あたしもそうなるんでしょうか、やっぱり。
非常に怖いんですけれども……。
「大変ですよね、これから」
「あなたなら大丈夫だって、専務のお墨付きがあるんだからしっかりしなさい」
先輩はそう言って、あたしに珍しくオゴってくれた。
その夜、敬介へメールをしてみる。
『敬介
Super ㎡の担当に
なったよ。
いきなりだから、
かなり驚いたけど。
あの子達、評判良く
ないみたいで、今、
ちょっと悩んでる』
と。