『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
返信はこうだった。


『志穂

 おめでとう!
 東京に戻れる
 かも知れないよ。

 今、こっちでも
 噂になってる。

 CDデビューして
 東京進出させるって
 話が出てるから  』


その文面を見て、思わず携帯を折れんばかりに、握りしめるあたし。


東京に戻れるチャンス! = 敬介と同じ場所に居られる!


そうか、これは天が与えてくれたチャンスだ。


何としても、彼らに付いて行かなければ。


ワガママだろうが、ドSだろうが、しょせんは17歳の高校生。


そんなの、一年目に付いた金魚師匠に比べたらまだマシだ。


あの時は、本当にマネージャーを辞めたい位キツかったから。


まず、毎週土日の馬券の買い出し、それから奥様に対する浮気の言い訳、おまけに度重なる遅刻の謝罪……。


上には4人も居たのに、不都合な事は全部あたし任せ。


更に自分のドジで、周囲に迷惑をかけまくった。


その度に敬介へ泣き言を言っては、慰められて何とかここまで来ている。

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