『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
その日の夜、予定通り12時を超えて帰宅する途中、携帯が鳴り出す。


「はい、大沢です」
『シホちゃん? 今時間ある? 』


蘭子さんの声、しかも余裕が無い感じ。


またお父さんに何かあったのだろうか、嫌だな、こんな時に重なるなんて。


「ありますけど」
『実家に来てちょうだい』


お店は営業中の時間なのに、どうしたんだろう。


2人をマンションに送り届けると、急いで車に戻り米山に電話をする。


「米山さん、こんな時間にごめんなさい」
『どうしたのよ? 』
「急に実家に戻らなきゃいけなくて、だから……」
『いいわよ、いまさら謝らなくても、親友なんだし』


ありがとう、米山。


今度、美味しいローストビーフをご馳走するからね。


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