『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「行って来ます」
「しっかりやるのよ」
「途中で何かあったら、あたしに電話しな」
「志穂ちゃん、本当にいいんだね? 君まで……」


向島先輩、相方じゃないですか、あたしはもう迷ってませんよ。


だから大丈夫、あなたを辛い過去から救います。


うなずいて先輩の目を見つめ返すと、いつもの穏やかな目。


「大丈夫です、いつクビになるかっておびえるよりも、スッパリ辞めた方がいいですから」
「志穂ちゃん……」


抱きつかれた、あのー、後ろの2人の視線が痛いのですが。


「鳴瀬さんは、幸せだね。君みたいな彼女が居てさ」
「エヘヘ」
「僕も、本当に好きな人を作れるように頑張る」


そこの2人、感動的なシーンの最中にアピールしないっ!


先輩の背中を軽く叩いてから、部屋を出る。


「行って来ます」
「行ってらっしゃい」


戦いは始まった、もう後には引けない。
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