『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
最後はバカップルになり、お互いをツンツンし合う。


「ヒロスー」
「まーちゃ子ぉー」
「ヒロスー、さっきから気になってんけど、何かまぶしいわぁー。男前やから、光って見えるんかなぁー、あ、この間のお昼の弁当、ネコ缶で作ったからかも知れへん」
「いい加減にしなさいっ! どうもありがとうございましたー」


頭を下げた瞬間、ヒロセさんの前髪が下に落ちて、頭頂部の薄い所が見えると、大爆笑する観客と審査員。


「ヒロまちゃさん、ありがとうございましたー、さあ、いよいよ最後の審査です、Super ㎡、マージナルの同点決勝なるか、それともヒロまちゃにキセキが起きるのかっ! 」


観客達のボタンが押され、審査員も採点ボタンを押す。


パカパカと数字が変わるモニターを見ながら、あたしは両手を組んで目の前で祈った。


『神様、お願いです……同点決勝にして下さい』


と。

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