『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「仕事は? その間どうするの? 」
「心配しないで、優秀なマネージャーが居るの」
「誰? 」
「見てくれば? 」


蘭子さんじゃないだろうしと思いつつ、ママに言われてバックヤードの事務室に向かう。


ドアをノックしてから開けて、思わず息を飲む。


「志穂ちゃん、久しぶりだね。今日はお疲れ様」
「せ……先輩」
「観てたよ、TVで。残念だったけど、でも、2人とも凄く頑張ってた」


放たれたホワイトニングビームに、頭がクラクラしそうになる。


まさか先輩がここで働いているとは、引きずり込んだのはきっとママだろうけど。


「先輩、シャングリラに居たんですね。すみません、父が引きずり込んで」
「僕がお願いしたんだ、お世話になったお礼がしたいって」


こんな所じゃもったいない、優秀過ぎて。


書きかけの帳簿を閉じ、先輩はあたしの側にやって来る。


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