『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
収録後、真島さんと敬介は連れ立って楽屋にやって来る。


「さっきは大変だったね」


涼しい顔で言う真島さんに対し、万里也は顔を横へそむけた。


このクソガキ……とでも思っているのだろうが、真島さんは顔に出さない。


「俺らみたいな若手の前ではいいけどさ、大師匠の前でああいう態度はマズいと思う」


ズバッと言い切ると、隣に居る敬介にあいづちを求める。


敬介も珍しく腕組みなんかして、先輩としての貫禄充分だ。


まあ、どことなく連れられて来た感は否めないけど。


「東京モン」


秀一郎は鋭く言い、万里也にケンカを仕掛けさせようとしている。


「何? 本場大阪芸人君」
「ちっとばかし東京で売れてるからって、偉そうにすんなや」


出ました、万里也。


しっかしまあ、どうしてそう秀一郎の言いなりになるんだろう。


弱みでも握られてるのかな。


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