『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「ええ加減にせえよ、芸の道に入った以上、親の七光りだけで通用せえへんからな」
「はーい」


うわ、枝葉師匠のこめかみに血管が浮いてます。


ここはマネージャーのあたしが、お詫びするべきなんでしょうか。


また敬介の前で土下座するとは……、あ、スカート下げとこう、パンツ見えるし。


「枝葉師匠! 」


スタジオ内に響いた真島さんの声。


「良かったら、俺達が後でちゃんと言います。今は収録を優先させましょう、スケジュールが詰まっているヤツも大勢居ますんで」
「そやな、後は頼む」


ねえ、芸人なんか辞めて政治家になれば。


上にも下にも働きかけちゃうマメな性格だし、この場の空気読むの早いよねー。


師匠にいい顔出来るし、2人にも『助けてやったんだ』って威張れるし、親に対しても。


「ほな始めよか」


万里也は、まだ不服そうだったけれど、この場では問題をもう起こさなかった。


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