『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
局を後にし、新宿二丁目へと向かう。


何だか懐かしい、看板の『僕のお部屋』とか『漢村』等の文字すら。


しかし、手土産を忘れた事に気づき、あわてて丸丹へ急いだ。


皆はかなりのグルメで、コンビニの贈答用水ようかん等では納得しない。


例えば、塩沢の饅頭とかチハチのケーキ、ショコラティエ・フランセのチョコレートでないと。


夕方の地下食品街は、仕事帰りのOLやマダムで一杯。


チビなあたしは、押されながらも何とか洋菓子コーナーにたどり着いた。


何にしようか迷っていると、不意に声を掛けられる。


「しほちゃーん」


綾女様、お久しぶりでございます。


「綾女! キャー、久しぶり」
「東京にー戻って来てたのー、うれしいー」


相変わらずのスローテンポに、何だか温かさを感じる。


「会いたかったあー」
「あたしも! ね、仕事はどう? 」
「うんー何かー毎日会社に行ってー、皆がー助けてくれるのー」


まあ、想像は出来る。
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