『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
その夜、実家に顔を出すからと向島先輩に2人の見張りをお願いし、ダメ押しとばかりに米山へ電話を掛ける。


「米山さん、今、仕事中? 」
『そうよー、何? 新情報でもあるの』
「違うんだけど、実は今日、遅くなるから2人の見張りをお願いしたくてねー」
『いいわよー、じゃあ見張ってあげる。心配だもんねぇー』


嫌な役割なのに、ものすごーく嬉しそうな米山の声。


そりゃあ、マネージャーから直々に頼まれればストーカー冥利に尽きるだろう。


もしかして、この手は使えるかも知れない。


あ、でも、絶対ダメだ。


かつての敵を利用しようなんて、甘い考えじゃ。


何を代わりに要求されるか、分かったモンじゃない。


敬介の事はあきらめてくれたみたいだけれど、2人の下着が欲しいとか言い出すかも知れないし。


いや、米山はそこまで変態では無いか。


欲しかったら、ベランダへ侵入すればいいはずだし。


って、何を考えているんだ!
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