lovable winp
それからのことはあまりよく覚えてない。
真っ白になった頭の中の片隅に残っていたなけなしの理性に突き動かされて、気がつけば相菜を保健室まで運んでいた。
「ちょっと! 何があったの!?」
ぐったりした相菜に保健室の先生はビックリして、俺に状況の説明を求めてくる。
俺のせいで階段から落ちた。
ただ一言、こう答えるのが精一杯の俺を見て、とりあえず相菜をベッドに寝かせるように促した。
そのまま手早く相菜の体を調べて、
「目を覚ましたら病院に行くわ。今から担任の先生と保護者に連絡してくるから」
傍らで呆然としていた俺にこう言った後、
「しばらく三倉さんに付いていてあげて」
ベッドの傍にあった椅子に俺を座らせて、保健室から出て行ってしまった。