lovable winp
俺を抱き締めていた相菜の体を両腕で抱き寄せ、ストンと自分の膝の上に座らせる。
それに驚いてキョトンとする顔がマヌケ。
……さっきは自分から俺のことを抱き締めた癖に。
「二度と関わらないでって……俺から逃げた癖に」
「ごめんなさい。もうしない」
自分が悪い癖に恨み言みたいに口を尖らせた俺に、相菜は小さく頭を下げてみせる。
コイツはどこまで俺に甘いんだか……。
今度はそれを試したくて、
「俺がまた嫌なことしても?」
こんな質問をしてしまう自分はどこまでもヘタレた弱虫だ。
でも、
「もう逃げないよ。……寂しいって思えないくらい傍に居るから」
だから笑って?
そう言って俺に笑って見せた顔で、ヘタレた弱虫は強くなれる。