克服ブラックベリー
「ぶぅーーーっ…」
華恋ちゃんの口から
盛大にココアが飛び出す。
「あぁっ、ごめんなさい!」
こういうのって聞かない方がいいのか!
「んなっ、んなわけないでしょー!」
「あっ、そうなんですか!」
「あと、敬語じゃなくてタメでいいよ!」
ナプキンで、口元を拭きながら言う。
「そ、そうで…そう?」
無理しないでいいよ、って
笑いながら言ってくれる
優しいなぁ…
「清哉のこと怖いと思う?」
「え?うーん………」
まぁ、正直に話そうかな?
私は一口ココアを飲むけど
なかなか喉を通らない。
「あ、怖い?」
否定しようと、慌ててると
ようやくココアが喉を通る。
「ううん、最初は怖かったけど…
話してみると凄く優しいそうだな」
「あいつ、女の子には優しいのよ、きっと…」
え、ちょ
いきなりカミングアウト!?
「華恋ちゃん…お、とこなの?」
また、華恋ちゃんの口からココアが吹き出る。
「あっははは、そういう意味じゃなくて…」
一瞬、華恋ちゃんの動きが止まる。
「あたし、本当に小さい頃から一緒にいるから……
異性として、見てないんじゃないかなぁ………」
そう話す華恋ちゃんは
すごくさみしそうだった。
「ちゃんと女の子って思われたいの?」
「まぁ…その方が嬉しいなーって…
ただそれだけの話!」
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