克服ブラックベリー
私が呟くと静まり返る校門前
まだ冷たい春の風が吹く。
溢れ出しそうな涙を必死に堪えてた
「おらおらおらー!あと5分で門閉めっぞー!」
竜沢先生の大きな叫び声が聞こえる。
「竜ちゃん!あと20分くらいあるよ!」
「そんなの知るかぁぁぁ!
早く仕事を終わらせてくれぇぇ!」
私達と2人の女の子以外の人が
次々と校内に入っていく
「ご、ごめんね…」
さすがに悪いと思ったのか
2人は私に謝る。
「ううん、いいの大丈夫。」
「B組の前田さんには気をつけて…」
「前田さんいつも沢沼さんの愚痴ばっかり言ってるの…」
「前田さん…かぁ……」
あはは、と気まずそうに笑う
前田さんは…………
「前田さんになるべく合わないようにね?」
「頑張って沢沼さん…」
「うん…ありがと!」
2人は手を振って校舎内に入って行く。
「なーんだ、いい人だったじゃん!
おーい華恋ちゃん?もう大丈夫だよー」
織川くんが言うと
「う、うん…」
と頷き、織海くんの背中から出てくる。
「華恋ちゃんどうかしたの?」
私が聞くと織海くんが
「いーや、なんでもねぇよ。行くぞ」
と、あっさり濁される。
私達が校門を潜ろうとしたとき
竜沢先生が私に気づく
「沢沼!?」
「……お久しぶりです…」
「……大丈夫か?」
「大丈夫じゃないので来ました!」
「は?」
はてなマークを浮かべてる先生を横目に
私達は教室へ走った。
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