恋箱。



説得すること数日。


ようやくアツシは折れた。


アツシも実家へ帰る事になってマンションは引き払うコトになった。




最後の1週間。


アツシは狂ったようにアタシを抱いた。


まるで……何かを刻み込むように。


何度も、何度も、朝が来るまで抱かれ続けた。






そんなアツシの愛情が切なくて。


いっそ離れようって言うアタシに……愛想をつかしてくれたら楽なのに。






「じゃあ、アツシが仕事行ってる時間に引越し屋さん来るから」


「わかった……」



涙目のアツシを見ないようにした。また流されてしまうのが怖かったから。





19歳の夏。


アタシは4年ぶりに実家に帰ってきた。



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