恋箱。



通い始めた通信制の高校はある意味思った通り……?問題を抱えた人たちばかりで逆にすぐに溶け込めた。


みんなココロに闇を持ってた。



年齢がまちまちな学級。



学校内なのに喫煙所もある。



運動会には先生と一緒にビールを飲みながらはしゃいだ。








校舎の渡り廊下に設置されたその喫煙所でアタシはよくぼーっとしてた。


ケンと離れてから一度やめてたタバコをまた吸うようになっていて……そもそも望んで学校に来てる訳じゃない。



だから、なんとなく通学という行為をこなしているだけ。






通信制高校ではさすが!みんな登校日の日曜以外は社会人ばかり。


一人暮らしの情報収集も簡単に出来た。



「家賃が安くて6万円ぐらいのトコでも最低50万は貯めた方がいいよ~」


そう教えられてはため息をつく。



コンビニとテレアポで必死に働いても16歳のアタシの時給は安くてせいぜい月に10万円ちょっとにしかならなかった。




もちろん全部貯金なんて出来ない。


家財道具も買わなきゃいけないし。





考えれば考えるほど先が遠すぎて、自分をどんどん見失っていく。


どの道が正しいかなんて……霞んでよく見えないんだ。




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