彼女の世界が変わらぬ理由
「少し早いが、学園祭について今のうちから話しておこうと思う」
わずかにまなじりの垂れた優しげな瞳がまた、マリアを捉えて微笑む。
が、マリアは素っ気なく目をそらし、キャンバスに筆を戻した。
「もう話し合いするんですか?」
マリアと同じ三年生の女子部長が、不思議そうに訊いた。
「コンクールが控えている者もいるしね」
美術部では、部員はそれぞれ油彩画、彫刻、陶芸を、専門にしている。
それゆえ活動、作品の進行状況はバラバラだ。
「確か毎年、全員の作品を展示して、似顔絵コーナーをやっているんだったね」
「そうです。似顔絵は交代制で描きます」
「それもいいけれど、今年は少し、違ったことをやってみないか?」
飛田の提案に、部員たちがざわめき出す。