彼女の世界が変わらぬ理由
希望の色
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蝉が鳴く猛暑日。

広い校内は一般客で溢れ返っていた。

学園祭の二日目、一般公開。

空調の効いている美術室には、長い列ができていた。

展示された部員の作品を見る人もいるが、ほとんどは涼みがてら、似顔絵コーナーに並んでおこうという考えなのだろう。

マリアは自分のクラスの模擬店には行かず、朝からずっと美術室で似顔絵を描いていた。

クラスで浮いているマリアには、たいした仕事が回ってこないから。


「柚木くん、疲れてないかい?」


十歳くらいの女の子の似顔絵を書き終わった時、飛田が声をかけてきた。

昼前にやってきた飛田は、客に部員の作品を説明したり、手作りのアクセサリー類を勧めたりしていた。

マリアが大丈夫だと答えようとした時、横で同じく似顔絵を描いていた小湊に肩を叩かれる。

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